小文字のLで書かれた伝説
パートナーと出会ったころにプレゼントしたCDの中に、「lenda」という曲があって、ふたりにとって特別な曲だった。わたしはこの曲のタイトルを「レンダ」と読んでいて、その名にふさわしい曲だと思っていた。なぜかといえば、「レンダ」はポルトガル語で「伝説」という意味で、その曲は伝説を語っているような、そんな荘厳な雰囲気があったから。 昨晩、久々にその曲が聴きたくなって、Apple Musicで検索をかけたけれど、配信されていない曲だったようで聞けなくて。CD自体は持っているけれど、今家にはCDを流せるものがないし、Youtubeで検索してもなぜか出てこない。おかしいなって思ってしばらく探し続けてみたら、「ienda」というタイトルで、探していたアルバムのジャケットを発見。もしかして、とクリックしてみると案の定、探していた曲だった。そこで15年越しに「Ienda」の最初の文字が小文字のLではなくて、大文字のiだったことに気づいてしまって。 つまり、わたしたちが「lenda(レンダ)」だと思っていた曲は、「Ienda(イエンダ)」という曲だったのだ。ショックを受けなかったといえば嘘になるけれど、間違っていたことがわかってよかったなとも思う。でも、再度聴き返してみて、やっぱりわたしにとって「lenda」は小文字のLで書かれた「レンダ- 伝説- 」のままだなと思って。作者さんには申し訳ないけれど、多分わたしはこれからもこの曲のことを「レンダ」と呼んでしまうだろうなと思う。 今朝、パートナーにその話をして、ふたりでまたその曲を聞いて「いい曲だね、うちらの曲だね」って笑い合えたのが嬉しかった。 こういう思い違いや、失敗が思い出になることってあるよね。正しい道のりでたどり着くより、迷子になってたどり着いた方が印象に残るみたいな。そう思うと、やっぱり失敗や間違いを繰り返すのは、長い目でみると財産になるのかもしれない。 もしよかったら、件の「レンダ」、ぜひ聴いてみて。